人生は1回しかない。それならば自分がやりたいことをやって、後悔した方がいい-。そうしてゲーム実況の道へ踏み込んだ。「この仕事以外考えられないと思うくらい、楽しいし幸せ」。よしなまさん(27)=下野市出身=は、屈託のない笑顔を見せる。
小さい頃からのゲーム好き。ただ「自分が好きな作品を友達が知らなければ、話すことができない」と感じることがあった。そんな中、中学生の時にインターネット上で、ゲーム実況の動画と出合った。実況者のしゃべりやプレーに対して、視聴者からコメントが寄せられる。「一緒に楽しんでいる感じがいいな」。それが、実況者を目指す原点となった。

大学2年になり、アルバイトでためたお金で機材をそろえ、ユーチューブでの動画投稿を始めた。初めての実況は緊張して声が小さくなり、いつものように、はきはきと話せなかった。「しゃべることがこんなに難しいとは…」。それでも憧れの実況は楽しく、すぐにのめり込んだ。
そんなよしなまさんを一躍有名にしたのが、2015年11月に発売されたハンティングアクションゲーム「モンスターハンタークロス」の実況だ。投稿するやいなや、一気に再生数や登録者数が伸びた。「俗に言う『バズった』のは初めてで、夢かと思った」と当時を振り返る。
「ばかみたいと思うかもしれないが、これで食べていけるという直感があった」。ユーチューバーとして進むことを決意した。その後、クリエーターらと共に幅広いビジネスを手がける「UUUM(ウーム)」に所属。上京して活動に本腰を入れている。

現在もモンスターハンターシリーズを中心に、「ポケットモンスター」や「バイオハザード」といった人気作品の実況も行う。簡単な説明を入れながらプレーするなど、普段ゲームをしない人とっても見やすい動画作りを心掛けている。
ツッコミを入れながら、ハイテンションで小気味よいトークが魅力のよしなまさん。「小さい頃、おじさんがゲームをしているのを横で見ているのが好きだった。その当時と同じ感覚で視聴者さんにも見てもらいたい」。栃木で暮らしていた頃の感性が、今の活動の軸になっている。
「ゲーム実況は天職だが人気商売。緩やかにでもいいので上がっていきたい」。夢を実現してもなお、目標に向かって進み続ける。