YouTubeなどで近年、若年層を中心に人気を集めるバーチャルユーチューバー(Vチューバー)。仮想世界のタレントによる動画配信は多様化し、市場はますます拡大している。
 100人以上が所属する大手事務所「」に加入して活躍する本県出身のラトナ・プティさんに、Vチューバーになったきっかけや普段の活動、今年の抱負を聞いた。

 

所属のVチューバーラトナ・プティさん
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 2019年8月にデビューしたプティさん。YouTubeではやりのゲーム実況をしたり、ゲームの大会に出たりしているほか、音楽関係にも活動の場を広げている。かわいらしい声とゆったりとした話し方で、視聴者に癒やしを届ける。一方で、ゲーム配信では培ってきたゲームセンスを存分に発揮して魅了する。

  ゲームは主に、一人称視点の画面で敵と銃で撃ち合う「FPS(ファースト・パーソン・シューター)」というジャンルだ。ライブ配信が始まると、視聴者からリアルタイムで寄せられるたくさんのコメントに目をやりながらプレイ。雑談を交えながらコミュニケーションを広げていく。

画面には、プティさんの「顔」も映し出される。瞬きをしたり、口を大きく開けて笑ったり。見た目はアニメのキャラクターだが、生身の人間のような自然な動きを見せる。

 22年は、以外の配信者とも関わるようになったというプティさん。「交流を増やしたことで大会にもたくさん呼ばれるようになり、目標が達成できた」と振り返る。配信はほぼ毎日行うが「私自身は楽しく続けられている」という。

 昨年末には、毎年恒例となった音楽ライブ配信番組「ユニット歌謡祭2022」にも出演し、「苦手な音楽やダンスもやり切った」。また「案件」と呼ばれる企業からの依頼を受け、商品の紹介や宣伝も多数こなし、「一番達成感がある年だった」と充実感をにじませた。

 ⓒA/N

 Vチューバーを目指したのは、の人気ぶりをゲーム友達から聞いたのがきっかけ。「ゲームが好きだから、いけるかもしれないという思いで応募した」。

 親の影響もあり、小学2年生くらいからパソコンのゲームにも触れ、「FPSはお兄ちゃんやお父さんがやっていてかっこいい!と思い、自分でもプレイするようになった」と笑顔を見せる。

 そんなプティさんに、生まれ育った本県での思い出を聞くと、JR宇都宮駅前の商業施設にあるゲームセンターで友達と遊んだり、ご飯を食べたり、買い物をしたり…。オリオン通りのゲームショップでは「お兄ちゃんがカードバトルをしているのを見ていたのを覚えている」と懐かしむ。

 精力的に活動した1年間を経て迎えた23年。「今まで築いてきた交流関係は維持しながら、苦手なことを一つはやりたい」と目標を語る。音楽やダンスのほか、ゲームでもパーティーゲームのような形は経験が少なく苦手というが、「自分の幅を広げるためにも頑張りたい」と意欲を見せた。

ラトナ・プティ
     ラトナ・プティさんⓒA/N

2019年8月デビュー。ラトナは「宝石」、プティは「小さな」を表し、「小さな宝石」という意味が込められている。FPSを中心としたゲーム配信などを行う。チャンネル登録者数は52万9千人(1月15日現在)。

 

バーチャルユーチューバー
仮想のキャラクターをアバター(分身)などとして使う動画配信者。2016年に登場した「キズナアイ」が草分けとされ、IT関連会社「ユーザーローカル」(東京)によると、22年には国内2万人を突破した。ゲームや歌などの動画が人気を集め、企業や自治体が起用するケースも出てきた。