2024年春に卒業する大学生・大学院生を対象にした新卒採用の会社説明会が1日、解禁された。新型コロナウイルス禍で落ち込んでいた企業の採用意欲が全国的に回復し、企業間の競争が活発化している。学生優位の「売り手市場」の中、企業は従来の対面型とオンラインを併用し、自社のPRに注力している。
栃木銀行は同日、新卒採用情報サイトを開設した。「他社にはない魅力」をいかに発信するかが重要という。会社説明会などは対面とオンラインの双方で展開していく。人事部の担当者は「オンラインは学生が身構えずに臨め、企業側も効率的に多くの学生に接することができる」と話す。

今回、就職活動に臨む大学生は入学時からコロナ禍での学生生活。さまざまな活動が制限されてきた。同行の担当者は「学生時代の実績だけでなく、将来への期待感や将来性を踏まえて選考に臨みたい」と話した。
トヨタカローラ栃木(宇都宮市)は、昨年末に自社ホームページ(HP)を刷新した際、業務内容や従業員の働く姿を紹介する動画を新たに公開した。「職場の雰囲気を知りたがる就活生は多い」と担当者。自社への関心を高めるため、エントリーした学生には今年から会社をPRする動画も送るなど、学生との接点を増やす方針だ。
宇都宮大峰キャンパスでは1日、学内企業説明会が開かれた。参加した同大大学院地域創生科学研究科1年堀江尚司(ほりえひさし)さん(23)は「対面式の説明会はオンラインに比べ、会社の雰囲気や働き方のイメージをつかみやすくありがたい」と話す。志望する会社に入るため、「オンラインと対面を活用して情報を集め、面接に挑みたい」と意気込んだ。