厚生労働省が29日発表した2020年の有効求人倍率は19年比0・42ポイント減の1・18倍で、1975年以来45年ぶりの大きな下落幅となった。新型コロナウイルスの感染拡大で企業の先行き懸念が強まり、求人を大きく縮小したことなどが影響した。新規求人倍率もリーマン・ショック後の09年以来11年ぶりに低下して1・95倍となった。

 総務省が同日発表した20年平均の非正規労働者数は、前年比75万人減の2090万人だった。比較可能な14年以降初めて減少に転じた。女性や高齢者の就労を背景に増え続けていたが、感染拡大に伴う企業の経営悪化で、解雇や雇い止めが増加したためとみられる。

 20年平均の完全失業率は0・4ポイント上昇の2・8%、完全失業者数は29万人増の191万人で、ともに09年以来11年ぶりに増加。職に就いているのに働いていない休業者数も80万人増の256万人で過去最多となった。

 20年12月の新規求人数は72万2181人で、前年同月比で12カ月連続の減少だった。企業は景気回復の兆しが見えると増産や経営拡大のために新たに求人を出す。このため、新規求人数は直近の景気動向を映す「先行指数」とされる。新規求人数の減少は経済活動の低迷を表しており、緊急事態宣言の再発令に伴い厳しさを増す恐れがある。

 有効求人倍率はハローワークに申し込んだ求職者1人当たりの求人数を示す。最も下落したのは石油危機の影響を受けた75年の0・59ポイントで74年の0・56ポイントが続く。今回の0・42ポイントはそれに次ぐ過去3番目の下落幅。リーマン・ショック後の09年(0・41ポイント)を超えた。

【ズーム】有効求人倍率 ハローワークで仕事を探す人1人に対し、企業の求人が幾つあるのかを示す。1倍を超すと求人が求職者よりも多いことになり、倍率が高いほど職を得やすい状況となる。高度成長期後半の1973年11月の1・93倍が過去最高で、リーマン・ショック後の2009年8月には0・42倍まで落ち込んだ。その後は人手不足を背景に上昇したが、新型コロナウイルスの影響で20年に入り低下傾向にある。