栃木労働局は1日、来春卒業する県内高校生の10月末時点の就職内定状況を発表した。内定率は68・3%で前年同期を15・9ポイント下回った。新型コロナウイルスの感染拡大で、国が企業の採用選考の時期を1カ月遅らせたことが要因。2019年9月末との比較では5・1ポイント上回っており、藤浪竜哉(ふじなみたつや)局長は「新型コロナによる影響はそれほど出ていない」とみている。ただ、高校側からは、次年度の企業の採用枠が減る可能性もあるとして、不安視する声も出ている。

 例年、高校生の就職活動について、国は企業による採用選考の開始を9月16日に定めている。今年は新型コロナの影響による休校などで生徒の準備期間が短いとして、10月16日からとなっていた。

 求人倍率は0・29ポイント低下し1・89倍。4年ぶりに2倍を下回ったが、藤浪局長は「依然2倍近い求人があり、高い水準にある」と説明した。

 求人数は24・4%減の6343人。リーマン・ショックの影響で53・7%減となった09年以来11年ぶりに減少へ転じた。44・1%減少した運輸業、郵便業をはじめ、全産業で前年を下回った。求職者も12・8%減の3352人となった。生徒数の減少とともに、新型コロナによる雇用情勢の悪化を踏まえ、大学などへの進学に進路を変更する動きも見られる。

 宇都宮商業高の内藤育男(ないとういくお)進路指導部長は「例年通りの内定率で推移しており、思ったほど影響は出ていない。ただ、来年度は企業が採用枠を減らす恐れがあるので不安」と話した。

 栃木工業高も例年同様の内定率を維持しているが、進路を進学に切り替える生徒が増えた。安定志向が強まり、志望企業は大企業が人気を集めている。

 栃木労働局は、大学・短大新卒者の10月末時点の就職内定率も発表した。大学は1・1ポイント減の56・8%でほぼ横ばい。短大は12・0ポイント減の42・6%となった。保育士や栄養士などで国家資格取得に必要な実習時期が遅れているためで、今後内定率は上向くとみられる。