東京商工リサーチは14日、今年に入って早期退職や希望退職を募集した上場企業が13日までに52社に達し、対象人数が計9323人に上ったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化で人員削減に踏み切るケースが増加。経済停滞の影響が上場企業の雇用に及び始めた。

 8月半ばで50社を超すのは2012年以来、8年ぶりで、リーマン・ショック後の不況時に迫るペースで推移している。新型コロナによる経営環境悪化は今後も長引く恐れがあり、人員削減がさらに加速する可能性もあるという。

 52社のうち、募集の理由に新型コロナを挙げたのは15社あった。6月末時点の8社から急増しており、雇用への影響が顕在化した。退職募集直前の通期決算や四半期決算が赤字だった企業は約7割に当たる36社に上り、業績悪化の傾向が顕著に表れた。

 対象人数が最も多かった企業は、施工不良問題で業績が低迷する賃貸アパート大手レオパレス21の千人だった。シチズン時計も複数の子会社にまたがり750人を募集。生産縮小が続く自動車業界では、部品メーカーのミツバが500人を募った。

 早期退職の募集はリーマン・ショック直後の09年に年間191社・計2万2950人に達した。14年に32社まで減少して以降は、19年まで年間40社以下の水準が続いていた。

 集計は企業が公表した募集人数を足し上げ、募集人数が非公表の場合は調査で分かった応募人数を含めた。