今の大学3年生の採用活動日程で、面接開始を2カ月前倒しし6月解禁とする方針を経団連が発表した9日。解禁を「後ろ倒し」したことしの変更には「結果的に就職活動(就活)の長期化を招いた」などと不満が上がっていただけに、県内関係者に「就活期間が短縮される」などと歓迎ムードが漂った。一方で「採用に関する議論は十分でなく、拙速な印象」などとする声も上がっている。

 「就活が短くなるのかな」。同日、宇都宮大キャリア教育・就職支援センターを訪れていた国際学部3年の女子学生(20)は経団連の方針変更を前向きに受け止めながらも「また日程が変わると、先輩の就活アドバイスを生かしにくい」と戸惑いものぞかせた。

 白鴎大進路指導部の担当者は「学生の面接スタイルはスーツにネクタイ姿。クールビズとはいえ暑い中でかわいそうだった」と、採用面接の解禁が8月だったことしを振り返り、前倒しを「賛成」とする。

 同センターの担当者は「前倒した方がいいが、今回の方針決定は拙速な印象がある」と指摘。就職問題懇談会がことしの変更について、まだ大学に調査している段階といい「解禁時期など採用に関する議論は不十分」と述べた。

 経団連の指針に沿い、8月に面接を始めた栃木銀行。「6月解禁となれば、他社と面接日程が重なることが減り、学生にもわれわれにもチャンスが広がる可能性がある」と受け止める。足利銀行は、前倒しで広報期間が短くなるため、対応を検討したいという。

 一方、中小企業は経団連に加盟していないこともあり一線を画す。宇都宮市の商社は「全ての企業の足並みがそろわない限り、状況はあまり変わらないのでは」と、今回の変更に首をかしげた。良い人材の早期確保を狙い、ことしも3月に面接を始めている。「大手企業は後からでも学生は集まるだろうが、中小はそうはいかない」と明かした。