宇都宮大は5日、県庁で記者会見を開き、県や県内経済団体、企業などと連携して取り組む「輝くとちぎをリードする人材育成事業」が文部科学省の補助事業に採択されたと発表した。本県の魅力・情報を積極的に提供するキャリア教育などにより、学部卒業生の県内就職率を、2014年度の39%から、19年度には50%程度に引き上げることを目指す。

 宇大は、就職などによる学生の県外流出を防ぐ取り組みとして、同事業に乗り出した。池田宰(いけだつかさ)理事・副学長は「栃木を知る機会を設けて就職先の選択肢の一つになるような仕掛けが必要」と説明する。

 人材育成のための授業科目には「地域学・とちぎ学」「地元プロフェッショナル(実務家教員)による講義・演習」などを想定し、実務家は地元自治体や産業界から派遣してもらう。宇大は農・工学部があることから、本県の強みである「食と農」や「ものづくり」に焦点を当て、関連団体との連携を強化する。

 宇大が連携している帝京大理工学部や東京農工大、芝浦工業大など県内外の大学などと合同で講義や演習に取り組み、キャリア合宿、セミナーなども開催する。こうした首都圏大学は本県からの進学者も多く、Uターン、Jターンも促進させ、人口構造の若返りによる地方創生を図る。

 宇大の石田朋靖(いしだともやす)学長は記者会見で「卒業後、地域にしっかりと定着し、地方創生を進めるエンジンになってもらいたい」と話した。事業期間は本年度から5年間。国から5年間で2億5千万~3億円程度の補助金を見込む。

 文科省の補助事業は、地方創生を推進し、若年層人口の東京一極集中を解消するのが最終目標。地方の大学群と、地域の自治体・企業や民間団体が協働して地域を担う人材育成を推進することで、地元に就職して定着してもらうのが狙い。国立大を中心に全国で40件を選定した。