2016年春の入社を目指す大学3年生らを対象とした主要企業の会社説明会が3月1日、解禁される。経団連の方針変更で3カ月遅れの就職活動解禁となるが、内定は10月1日に据え置かれたまま。「売り手市場」と言われる中、県内の企業は危機感を募らせ、学生は「優先順位を付けた活動にならざるを得ない」と焦りを見せる。企業、学生双方にとって試行錯誤の短期決戦が県内でも始まる。

 「10月1日に本当に内定式ができるのか」

 23日に宇都宮市内で開かれたとちぎ産学交流会。大学の就職担当者との情報交換の場で、県内企業の採用担当者が本音をこぼした。

 経団連が定めた「採用選考に関する指針」で、説明会などの解禁は3年生の12月から3月に、面接などの選考解禁は4年生の4月から8月に変更になった。企業側の懸念は、内定が解禁となる10月までのわずか2カ月間で「人材を見極められるのか」という点だ。

 県内は大手や東京の採用が一段落してから本格化するのが従来の流れだが、今回は「待ってられない」として、水面下で早々に動きだそうとする企業もある。

 経団連に加盟しない企業は指針に縛られないため、ある採用担当者は「表だって『選考している』とは言えないが、8月まで何もしないわけにはいかないだろう。他社の動向が気になる」と打ち明ける。3年生を対象にしたインターンシップ(就業体験)にとどまらず、日時や場所を指定せず学生に受験してもらう「ウェブテスト」を導入する社が県内にもあるとみられる。

 一方で、先行して内々定を出しても大手の選考によって辞退者が増え、結局は採用活動が長期化することを危惧する声も上がる。

 今月26日、県経営者協会などが宇都宮市内で開いた就活レベルUP講座には、解禁を目前に控えた学生ら約90人が詰め掛け、企業の採用担当者らが説明する就活のポイントなどに熱心に耳を傾けた。県内の各大学も3月に入り次第、学内で合同企業説明会を開く。

 白鴎大経営学部3年の関根康平(せきねこうへい)さん(21)は「選考期間が短くなることで試験が重なる心配がある。考えるほど不安は大きくなるが、とにかくやるしか方法はない」と、手探りの就活に向け気を引き締めていた。