学業優先のため、大学3年生の採用活動解禁が12月から3月に繰り下げられた影響で、県内の企業、学生がインターンシップ(就業体験)への関心を高めている。活動解禁は3カ月遅くなるが、内定解禁は従来の10月と変わらず、採用日程自体が短くなった。初めての活動短縮で企業、学生側とも手探り状態が続く中、増加傾向にあるインターンは“短期決戦”に乗り遅れないように、という双方の思いが影響しているようだ。

 「いらっしゃいませ。お疲れさまでございました」

 日光市鬼怒川温泉滝の鬼怒川温泉ホテル。「研修生」のネームプレートを付けた大学生ら2人が宿泊客を出迎えた。22日、同ホテルが初募集した2泊3日のインターンシップが行われた。

 運営する金谷ホテル観光総務部の酒井宗義(さかいむねよし)主任は「解禁まで当社をどのようにアピールできるか」を考えた結果、インターンを選んだという。就職情報サイトなどを通じて募集を始めると、1週間ほどで約30人のエントリーがあり、反応はよいと感じている。来年1、2月にも実施予定だ。

 職業意識の育成などを狙い、従来から取り組まれてきたインターン。特別養護老人ホームなどを運営する上三川町下神主の社会福祉法人幸知会も今回、初めて実施した。人手不足の介護業界にあって、介護系学生に限定しない採用を始めたこともあり、「実際に現場を知ってもらう」のが目的だ。

 学生の就職活動を支援する大学も、インターンに注目。白鴎大進路指導部は「繰り下げでのんびりしている学生が目立つ。解禁前に危機感を高めたい」として2月、地元企業15社が参加するインターンの実施を決めた。

 インターンではないが、短期決戦に備えて宇都宮大は1月から、9業界9社を迎え業界研究セミナーを予定。キャリア教育の一環として3年生に限らず全学年対象で行うが、同大キャリア教育・就職支援センターの担当者は「自分に合った業界、企業を早いうちに見極めてほしい」と話す。

 活動解禁の繰り下げに、不安感を強める学生もいる。鬼怒川温泉ホテルのインターンに参加した日本女子大3年田原実咲(たはらみさき)さん(21)は「先輩の就活経験も参考にならないし、先が見えない。外資系は既に内定が出ていて正直、遅れを感じている」と明かした。

 ◇ズーム◇ 採用活動解禁の繰り下げ

 安倍政権から2013年4月に繰り下げ要請を受けた経団連などが会員企業に対応を求め、今の大学3年生の採用活動から解禁時期が3カ月、繰り下げられた。学業に専念させる狙いだが、活動期間の短縮によるミスマッチや繰り下げ対応しない企業の存在などに、懸念の声も上がっている。

 [写真説明]ホテル業務について社員(左)から指導を受けるインターンの学生ら=22日午後、日光市鬼怒川温泉滝、鬼怒川温泉ホテル