「市場環境に適応する能力が求められる経営~真剣にお客さまの声を聞くことが大切な時~」 凸版印刷代表取締役社長 足立直樹氏

 下野新聞社主催の第76回「しもつけ21フォーラム」が22日、宇都宮市内のホテルで開かれ、凸版印刷代表取締役社長の足立直樹(あだちなおき)氏が「市場環境に適応する能力が求められる経営~真剣にお客さまの声を聞くことが大切な時~」と題して講演した。世界不況という経済環境の激変期の企業経営について「常にお客さまの立場に立ち、社会の役に立つことを第一に考えれば、利益は後からついてくる」と語った。

 凸版印刷は既存の印刷をベースとしながらも、ICカードなどの証券製品、液晶用カラーフィルタなどのエレクトロニクス製品など、時代や顧客の要請に合わせて事業を多角化し発展を続けてきた。2009年3月期の連結売上高は1兆6173億円で、業界トップを誇る。

 足立氏はダーウィンが唱えた進化論を引き合いに出し、「最も強い種や賢い種ではなく、最も変化に敏感な種が生き残った。企業経営も今日の経営環境にいかに適応するかが重要」と訴えた。

 今後の経営に求められる視点として、人材活用の重要性を指摘。凸版印刷では「人材は人財」と位置付け、定年退職年齢の見直しや女性社員のみのチーム編成などを実施。こうした取り組みが評価され、近年「働きやすい会社」として上位にランクされている。

 足立氏は「働きがいのある会社ナンバーワンを目指す」と宣言。「お客さまのことを考えて仕事を行い、感謝されれば次の仕事につながる。結果としてそれが働きがいにつながる。社員には、仕事の報酬は『金』ではなく『仕事』だと言っている」と述べた。