「栃木県の産業構造~現状と展望~」 足利銀行頭取 藤沢智氏

下野新聞社主催の「しもつけ21フォーラム」四月特別例会が二十四日、宇都宮市内のホテルで開かれ、足利銀行の藤沢智頭取が「栃木県の産業構造~現状と展望~」と題して講演した。

まず本県の産業構造について、名目総生産(二〇〇六年度ベース)は八兆二千三百十二億円で全国十六位、このうち製造業比率は全国四位の36・6%に上ることを紹介。県外から原材料や部品を調達する移入の比率が91・7%に対し、加工組み立てや付加価値を高めた製造品を県外や海外に出荷する移出の比率が112・3%といずれも三重県に次ぎ二位という現状を説明した。

その上で「注目なのは純移出が全国三位の20・6%と際立っている。雇用や税収などで波及効果がある半面、全国や海外の動向に左右されやすい構造でもある」と指摘した。

特徴的な点としては「医療用機械などを集積する精密機器の産業に官民一体で力を入れていく価値がある」と分析。農林水産業に関しては「食料品製造業と一体として考えると今後の可能性が高い」との見方を示した。

観光産業については「観光資源は本当にすごい。すそ野が広い産業なので、波及効果は高い。統計では外国人観光客の宿泊者数が低いため、そこが一つの課題だ」と述べた。

二月公表の中期経営計画に関しては「地域に深くコミット(関与)することを宣言した。預金は信用のバロメーターなので、これまでに減った一兆円を回復し、中小企業の金融円滑化に一層注力する」と強調した。