「裁判員制度−その意義と力」 宇都宮地検検事正 高井新二氏

下野新聞社主催の第六十九回「しもつけ21フォーラム」が三日、宇都宮東武ホテルグランデで開かれ、宇都宮地検検事正の高井新二(たかいしんじ)氏(57)が「裁判員制度−その意義と力」と題して講演。「無作為に抽出された普通の人が行う判断に価値がある」と意義を強調した。
高井氏は現行の検察審査会を例に挙げ、「無作為に選ばれた一般の方が本当に良く証拠を検討している。新鮮な目がプロの判断を上回ることもあると思う」と持論を展開した。
制度導入の利点について「従来、改善が進まなかった刑事裁判の課題を解決する力がある」とし、検察庁が取り組む取り調べの一部録音・録画を挙げて「捜査過程の改善は裁判員裁判に備えて大きく進んだ」と述べた。
「弁護側も十分な準備をして明快な説明能力を備えないと務まらない」とし、弁護士サイドの質の向上の可能性にも言及した。
動機と結果が結びつかない凶悪事件が相次ぐ現状に触れて「普通の人が自分の欲抜きで他人の人生を真剣に考える場と機会が必要だ」と訴え、「栃木県に二十歳から五十年間住んで裁判員を務める確率は八十人に一人。選ばれた場合は『やろう』という気概を持っていただきたい」と求めた。