「水田活用で自給率向上」 全国農業協同組合中央会(JA全中)常務理事 冨士重夫氏

下野新聞社などが主催する第六十三回「しもつけ21フォーラム」が二十五日、宇都宮市内のホテルで開かれ、全国農業協同組合中央会(JA全中)常務理事の冨士重夫(ふじしげお)氏が「食料争奪と米の生産調整」と題して講演した。食料を取り巻く世界の状況と水田を活用した食料自給率向上の方策について語った。

冨士氏は、世界的な穀物価格高騰の要因について、これまでは天候不順による変動だったが、近年はバイオ燃料の需要増加、中国やインドなどの経済発展に伴う食生活の変化が影響していると指摘した。またコメの生産調整(減反)については、水田を水田として最大限に活用した食料生産の方法として、「稲作でやるコメの生産調整」を紹介。

穀物高、肥料高というピンチを内外価格差の縮小や環境負荷を低減するエコ農業の実現ととらえ、家畜排せつ物の堆(たい)肥(ひ)化促進や飼料用米を活用したブランド豚の生産、小麦粉の代替品としての米粉の活用など、市場で評価の高い新しい需要の事例を挙げた。冨士氏は「ピンチを克服し、新しい分野へ進出するチャンスが生まれたととらえ、生産者と消費者が結びついて頑張っていけたら将来の農業の姿も変わる」と力説した。