「デジタル時代の公共放送」 日本放送協会(NHK)会長 橋本元一氏

下野新聞社など主催のしもつけ21フォーラム特別例会が二十六日、宇都宮市内のホテルで開かれ、日本放送協会(NHK)の橋本元一会長が「デジタル時代の公共放送」と題して講演した。公共放送の性格について「質、品格を保つことが存在価値となり、質は原点である信頼性につながる」と訴えた。
橋本氏は二年前、一連の不祥事と受信料不払い急増などで辞任した海老沢勝二会長の後を受けて会長に就任。この間について「怒濤(どとう)のような不払い宣言が相次いで発生し、財政的に危機的状況になったが、人心を一新した上で視点を『視聴者第一主義』とし、経営改革に臨んだ」と振り返った。
橋本氏は改革の柱に、「災害・緊急報道の充実強化」「双方向性を生かすなどとしたNHKだからできる放送の展開」「コンプライアンス(法令順守)の徹底」「経営改革とガバナンスの強化」「組織や業務の大幅な改革とスリム化」「受信料の公平負担」などを置いたと説明。
これまで三百回開いた職場対話で、九割近い約九千人の職員と話し、執行部の改革改善の方針を徹底させたと強調した。
地上デジタルについては昨年四月、放送を開始。地上デジタル放送の携帯端末向けサービス「ワンセグ」を始めたほか、通信と連携した「サーバー型放送サービス」「インターネットを利用したアーカイブス(保存映像)番組の提供」も具体化に向け検討を進めている、という。
受信料に対するクレームは大都市が中心。受信料の公平負担の徹底、財政の安定を図るため、「民事手続きの導入や受信料体系の見直しなどを進め、契約・収納活動を強化した」と述べた。親元を離れて暮らす学生や単身赴任者向けの「家族割引」も昨年末から実施。
受信契約者は二〇〇六年上半期末で三千二百六十九万件となり、前年度末から約十万件増えたが、未収はまだ三百四十八万件あるという。