「財務局の地域経済への貢献」 財務省関東財務局長 谷口博文氏

下野新聞社などが主催する第五十六回「しもつけ21フォーラム」が十六日、宇都宮市内のホテルで開かれ、財務省関東財務局長の谷口博文氏が「財務局の地域経済への貢献」と題して講演した。谷口氏は地域活性化が成功するポイントとして(1)危機感の共有(2)強力なリーダー(3)既存秩序の破壊−の三点を挙げた上で「行政側も地域のニーズに合った施策を行っていきたい」と述べた。

谷口氏は全国の温泉地を例に説明。かつて団体客でにぎわったが、今は旅行客の減少で苦しむ温泉地について「過去の成功体験にとらわれている」と指摘。「『失敗は成功の元』と言うが、逆に『成功は失敗の元』ということ」と話し、変革を拒む姿勢が衰退を招いているとの認識を示した。

一方で、人気が上がっている大分県の由布院温泉や熊本県の黒川温泉について「街全体が『このままではいけない』という危機感を持っていたことや、明確なコンセプトを持つ強力なリーダーが存在していたこと、行政に頼らない姿勢など、共通点が多い」と分析。

その上で地域経済に対する行政側の心構えとして「地域の実態に合わない施策を行っていないかを常にチェックしていく」と語り、地域に不都合がある政策は改善していく考えを示した。

また米国での信用力の低い人向け住宅ローン(サブプライムローン)問題にも触れ、「現時点で日本の金融システムに深刻な影響を与える状況は見られない」と述べた。