「今後の日本経済と改革のゆくえ」 元金融担当相・慶応大教授 竹中平蔵氏

下野新聞社など主催のしもつけ21フォーラム八月特別例会が二十八日、宇都宮市内のホテルで開かれ、元金融担当相で慶応大教授の竹中平蔵氏が「今後の日本経済と改革のゆくえ」と題し講演した。小泉内閣で構造改革の推進役を担った経験から、安倍改造内閣について「先祖返りしたような内閣で、改革の勢いがさらに低下した。大変失望した」と厳しく評価した。

竹中氏は今回の組閣を評価するポイントに、改革が断行できるかどうかを挙げた。だが「政策の中心となる官房長官と経済財政担当相が財務省に近く官僚の言うことを聞く人。改革力という観点からは著しく後退し大変残念」と話した。

ただ参院で与党が過半数を割っている現状から、政策決定は官邸主導から与野党の政策協議の場に移ったと指摘。「その意味で(自民党の)政調会長が非常に大きなポイントだった。石原伸晃氏は若手で政策通なので非常に希望が持てる」と、この点は評価した。

また、留任し金融担当相も兼務した渡辺喜美行政改革担当相については「改革の面では渡辺氏が行革担当大臣として残られたのはいいこと。金融担当としては期待と不安がある」と話した。その上で金融相としては「東京を世界の金融センターにすることを前面に出して仕事をしてほしい」と要望した。

渡辺行革担当相は、足利銀行の受け皿に県が出資すべきと主張していた。竹中氏は県の出資について「地方自治体が金融活動をやることは個人的に反対。金融は最も政治的な判断をしてはいけないところ。マーケットのリスクとリターンを正確に判断しなけらばならないところに政治が入ると、ろくなことにならない」と批判した。