「どうなる裁判員裁判」 宇都宮地裁所長 園尾隆司氏

下野新聞社などが主催する第五十回「しもつけ21フォーラム」が十日、宇都宮市内のホテルで開かれ、宇都宮地裁の園尾隆司所長が「どうなる裁判員裁判」と題して講演した。二年後に施行を控えて実施を不安視する声もあるが、「裁判所もより良い制度になるよう努力していきたい」と強調した。

国民から無作為で選ばれた裁判員六人と裁判官三人が刑事事件を審理する裁判員制度。園尾所長は、県内で必要な裁判員候補者を三千人程度とし、「来年秋には選挙管理委員会から裁判所にその名簿が届き、年内には候補者本人に通知される」と、今後の選任手続きを説明した。

昭和初頭の一九二八年から十五年間、国内でも行われた陪審員制度について、主な事件を引き合いに「大変立派にこなした。(国民が評決する制度は)お初ではなく、後継のわれわれができないことはない」と述べた。

制度運用を不安視する声の遠因を「裁判所が国民から遠い存在だった。さらに難解な裁判は素人には分からないという考えがある」と分析。裁判官の出前講座を各地で開き、県民との距離を縮める取り組みを進めていることをアピールした。

一般的に難解な法律知識も「検察や弁護士会が分かりやすく、かみ砕いて示せるよう研究を重ねている」と説明。一方で「一つ一つの事件にこれを徹底させるには時間がかかる」とも述べ、施行前後の継続的な取り組みが欠かせない、とした。

県内で裁判員に選ばれる確率はおよそ三千分の一という。落語に造詣の深い園尾所長は巧妙な話術を織り交ぜ、「徴兵の召集令状ではない。いい裁判をやろうとする人に来ていただくのが基本」と丁寧に方針を解説した。