「スーパードライ二十周年と現場主義の経営」 アサヒビール代表取締役 池田弘一氏

下野新聞社など主催の第五十二回しもつけ21フォーラムが十日、宇都宮市内のホテルで開かれ、アサヒビールの池田弘一代表取締役兼CEOが「スーパードライ二十周年と現場主義の経営」と題して講演した。営業の最前線を歩いてきた経験を踏まえ「あきらめることなく、何事もチャレンジが必要」などと述べた。

発売から二十周年を迎える「スーパードライ」の大ヒットで、アサヒビールは二〇〇一年、ビールと発泡酒の国内シェア(市場占有率)で、キリンビールを抜き一位に立った。

だが、池田氏が入社した一九六〇年代は「他社に比べてブランド力もなく、アサヒビールの商品が売れなかった。『朝日』ではなく『夕日ビール』と揶揄(やゆ)されるほどだった」。

当時の流通は問屋や酒屋がほとんど。「お客さま個人ではなく、得意先にどれだけアサヒビールを買ってもらえるかにかかっていた。逆境の中、毎日売り込みに必死だった」と振り返った。

八七年、スーパードライが大ヒット。発売前には東京、大阪の消費者五千人を対象にした調査を実施した。「驚いたが、その時販売されていたビールに多くの人が不満を持っていたことを知った。『何杯飲んでもおいしい味』を追究して作った」という。

ヒットの背景には「時代の変化もあった」と指摘。「企業名よりも商品自体がブランドになる時代に変わってきていた。同時に、商品開発の重要性を痛感した」と続けた。

役員になるまで本社勤務は五年間だけ。「一貫して現場主義を貫いてきた。営業の現場では、お客さまの目線で物を見ることを学んだ」と語った。