「いつもやっていること、いつも考えていること」 スズキ会長 鈴木修氏

下野新聞社などが主催する第五十一回「しもつけ21フォーラム」が十四日、宇都宮市内のホテルで開かれ、スズキの鈴木修会長が「いつもやっていること、いつも考えていること」と題して講演した。三十年に及ぶ経営者経験で得た成功例や失敗談などを披露した。

一九二〇年に鈴木式織機として織物機械の製造を始め、その後オートバイ、軽乗用車と時代の流れに合わせて主力商品を変化させてきたスズキ。

三代目である鈴木会長は「初代の作ったものに対して新しいものを加えないと、家業であれ企業であれ発展しない」と述べ、経営者には常に攻めの姿勢が必要だと説いた。

七八年に三千二百億円だった売上高は、翌年に軽乗用車の「スズキアルト」を発売したことなどで急激に伸び、九〇年には一兆円に達した。さらに二〇〇二年には二兆円を突破し、四年後の〇六年には三兆千六百億円になった。しかし「社員が一人前になるには十五年かかる」が持論の鈴木会長にとって、予想以上の売り上げの伸びは人材不足を招く結果になったという。

「工場や機械は金で買えるが、人材は自分で育てないと。予測を間違え(社員採用を)保守的にやったことが失敗につながった」と悔やんだ。

また業務提携している米ゼネラル・モーターズ(GM)を例に挙げ、「経営危機は最高業績を挙げた時に巣くっている」と指摘。この四年で売上高を一兆円以上伸ばしたスズキの現状を「経営的には今が一番ピンチを迎えている」と警鐘を鳴らした。