「花王の企業姿勢とよきモノづくり」 花王取締役会長 後藤卓也氏

下野新聞社など主催の第二十七回しもつけ21フォーラムが八日、宇都宮市内のホテルで開かれ、花王の後藤卓也取締役会長が「花王の企業姿勢とよきモノづくり」と題して講演した。消費財市場が飽和、成熟化している現状を踏まえ「よきモノづくりがメーカーの原点。モノづくりの企業が元気であってこそ日本経済も活性化する」と語った。

家庭用品、化粧品事業などで知られる同社は「顧客の立場に立って、心を込めたモノづくり」が創業精神。「花王のCMは面白みがなく、ダサいとも言われるが、商品に関係ないことを叫んで話題になるようなCMは作りたくない。創業精神を尊重し、商品を使うことでどういう効果があるのかを訴えていきたい」と話した。

消費財市場の現状について「消費者自身も何が欲しいのか分からない時代。さらに少子高齢化の影響などもあり、まさに逆風の中にある」と分析。こうした中では、消費者が意識していない潜在的なニーズを掘り起こすことが重要という。「市場の声なき声を聞く努力が必要。『こんなモノができるとは思わなかった』と消費者が驚き、感動できるモノづくりをできるかどうかにかかっている」

新規事業については、基盤となる技術で勝負しながら埋め立て式に分野を広げていくスタイルを提唱。さらに「商品をよきモノにするためには中身だけでなく、売れるための努力が不可欠。新しい発想をする人、それを具体化する人、商品を世の中に知らしめる人…。全員参加型の経営でなければ、よきモノは作れない」と強調した。