「これからの経営に求められる感性」 凸版印刷社長 足立直樹氏

下野新聞社などが主催する第二十五回しもつけ21フォーラムが五日、宇都宮市内のホテルで開かれ、凸版印刷の足立直樹社長が「これからの経営に求められる感性」と題し講演した。印刷業界が需要低迷、競争激化の時代を迎える中、同社の新分野への積極的な進出や、「総合品質保証体制」強化への取り組みなどを語った。

印刷業界は一九九七年度から六年連続のマイナス成長を余儀なくされており、異業種からの参入もあって「成熟時代の競争」が激化。業界の現状について「成熟産業が、ともすれば衰退産業にもなりかねない」「従来のように業界が同質の競争をしていては中国や韓国などにマーケットを奪われてしまう。これからは高い付加価値の商品開発をしていかなければ」と危機感を表した。

こうした中、業界トップの凸版印刷は印刷事業を核に多角的な経営を展開。エレクトロニクスやEビジネス、環境関連ビジネスなど「情報コミュニケーション産業」などにも果敢に挑戦しており「総合印刷だけでなく、先端技術を駆使して、多様化するお客さまのニーズに応えていきたい」と強調した。

同社が経営スローガンに掲げる「総合品質保証体制」の強化について、「品質向上には工場だけでなく、営業や総務、経理などあらゆる職場の自覚と努力が必要ということ」と説明。「わが社では『製品』ではなく『作品』をお届けしている。市場に送り出すまで心を込め、細心の注意を払うために、あえて『作品』の呼び名を使っている」と述べた。

足立氏は一九三九年、静岡県生まれ。六二年、凸版印刷に入社。専務、副社長を経て二〇〇〇年から現職。