2022年度に県内のハローワークを通じて就職した障害者は前年度比103人(5・6%)増の1933人で、新型コロナウイルス禍前の19年度を超え過去最高となったことが3日までに、栃木労働局のまとめで分かった。新規求職申込者数も3752人で、330人(9・6%)増加した。障害者の中には基礎疾患がある人も多く、コロナ禍では当初、求職を避ける傾向もあった。一方、22年度は行動制限の緩和など世の中の状況も影響し、求職意欲の増加につながったと労働局はみている。

 労働局によると、雇用側の意識の高まりや人手不足などにより、就職者数は09年度から19年度まで11年連続で増加した。しかしコロナ禍となり採用や面接機会の減少、就職活動の自粛などが影響し20年度は12年ぶりに減少。21年度は増加に転じたが、コロナ前の水準には戻っていなかった。

 22年度の障害別の就職者数は、「精神」が157人増の1023人。初めて千人を超え総数を押し上げ、全体の約53%を占めた。「知的」は28人減の403人、「身体」は7人減の383人で、過去10年間で最少だった。発達障害などの「その他」は19人減の124人だった。産業別の就職先は、医療・福祉が751人、製造業331人、卸売り・小売業247人、サービス業194人と続いた。

 新規求職申込者数も増加。「精神」は313人増の1924人で、19年の1670人を大幅に上回った。「知的」「身体」も22年度から増加に転じている。

 就職率は2・0ポイント減の51・5%。「知的」が70・2%で6・9ポイント減少したが、前年度に続き7割台となった。「精神」は0・6ポイント減の53・2%、「身体」は5・3ポイント減の39・1%だった。

 一方、ハローワークに届け出があった障害者の解雇者数は25人で、前年の18人を上回った。複数の事業所の閉鎖が影響した。

 同局の担当者は本年度も求職者や就職者が増加傾向にあるとみる。「障害者の受け皿は年々増えている。職場と障害者本人を支え、障害特性の理解や、障害者の就労の定着を進めたい」と話している。