
2021年度に県内のハローワークを通じて就職した障害者は20年度より48人(2・7%)多い1830人で、2年ぶりに増加したことが栃木労働局のまとめで分かった。新規求職申込者数も111人(3・4%)増の3422人。新型コロナウイルス禍が採用や就職活動に及ぼす影響が改善されたものの、コロナ禍以前の水準には戻っていない状況だ。
雇用側の意識の高まりを背景に、就職者数は09年度から11年連続で増えていたが、コロナ禍で企業側の採用活動、障害者側の就職活動の自粛が進み、20年度は12年ぶりに減少した。
感染者数が増減を繰り返した21年度も影響が続き、新規求職申込者数に対する就職者数の割合(就職率)は20年度からほぼ横ばいの53・5%。労働局は「コロナ禍で様子を見ていた人が新たに仕事探しに動き出したが、就職にまでは至らなかったケースも多かった」とみる。
21年度の就職者数を障害別に見ると、「精神」が866人で全体の47・3%を占めた。「知的」431人、「身体」390人、発達障害や難病などの「その他」143人と続いた。
産業別の就職先では、医療・福祉が694件(37・9%)と最も多く、製造業277件、卸売り・小売業247件などだった。
労働局は22年度、コロナ禍で中止していた県央地区の合同面接会を3年ぶりに計画するなど、感染対策を図りながら活動を再開していく。担当者は「オンラインと対面の両方で工夫し、障害者への職業紹介に取り組んでいく」とした。
県内の障害者雇用率は21年6月1日現在、民間企業が2・26%で全国28位、法定雇用率(2・3%)の達成企業割合は54・4%で25位だった。
国や地方公共団体などの場合、法定雇用率は2・6%となっており、公的機関では県が3・06%で最も高く、各市町の教育委員会が2・01%で最も低かった。