70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする改正高年齢者雇用安定法が4月に施行された。少子高齢化が進む中、元気な人の多様な働く場を確保し、社会保障制度の担い手を増やす狙いがある。企業の対応は道半ばで、専門家からは制度の問題点を指摘する声も上がっている。

 帝国データバンクの2月の調査では、70歳までの就業確保を「現時点では対応を考えていない」とする企業は32・4%、「分からない」も14・9%だった。

 新たに導入する制度では継続雇用を挙げた企業が25・4%で最多。改正法はフリーランスを希望する人と業務委託契約を結んだり、自社が関わる社会貢献事業に従事したりすることも選択肢に加わったが、予定している企業はいずれも1桁台にとどまった。

 導入を予定している企業が最も多い継続雇用制度は定年の延長とは異なり、契約社員などとなるケースが多く、高齢者の雇い止めのリスクは高まる。業務委託契約や社会貢献事業への従事の形を取ると雇用関係がなくなり、最低賃金といった労働に関する法律の保護が及ばなくなる。そのため、働き手の代表となる労働組合と事前に同意を得ておく必要がある。