リクルートワークス研究所は6日、2021年春卒業予定の大学生・大学院生に対する企業の求人数が、前年比15・1%減の68万3千人とする推計結果を発表した。就職希望者1人当たりの求人数を表す倍率は0・3ポイント減の1・53倍だった。

 求人数が10%以上落ち込んだのは、リーマン・ショックの影響が残った11年春卒業以来で10年ぶり。20年春卒業の求人数は約80万人だった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて採用に意欲的だった企業が慎重姿勢に転じた。

 業種別求人数を見ると、サービス・情報業が前年比21・6%減の7万3100人で、最も落ち込み幅が大きかった。流通業17・9%減、製造業16・2%減と続いた。

 一方、バブル期の建物補修や、都心部の再開発で工事が増えていることを背景に、人手不足が続く建設業は9万2500人で4・9%増だった。

 リクルートワークス研究所アナリストの茂木洋之(もてぎひろゆき)氏は「バブル崩壊後の経済停滞期やリーマン・ショック時ほどの落ち込み幅ではなく、コロナ禍でも新卒雇用は一定水準維持された」と分析している。

 一方、学生の志向は、千人未満の企業への希望が前年から約1・5倍に増加し、26万4千人となった。千人以上の企業の希望者は28・8%減少した。景況感が曲がり角を迎え、ハードルの高い大企業を避ける傾向が出てきたとみられる。

 調査は今年1~3月に企業4481社と大学生・大学院生計2479人の回答を得た。さらに、コロナ禍を受けた求人動向を反映するために6月に追加調査。企業3733社の回答を基に全体状況を推計した。

 【ズーム】大学生の就職活動 日本企業の多くが横並びで選考を行い、卒業と同時に入社を求める新卒一括採用方式を取っている。採用計画が立てやすく、新人研修を効率的に実施できる利点がある。政府は学業への配慮から会社説明会を3月1日、選考活動を6月1日、正式な内定を10月1日からと求めている。2021年春卒業予定の大学生らの採用では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で対面面接ができないことなどから、スケジュールを例年より遅らせる企業が多い。