主要111社を対象とした共同通信社のアンケートで、バブル崩壊後に就職難だった就職氷河期世代を採用する予定がないとした企業は、回答を寄せた102社の約88%に当たる90社に上ったことが分かった。政府はこの世代の正規雇用を3年間で30万人増やす目標を掲げ、積極的な採用を企業に要請しているが、新型コロナウイルス感染拡大で先行きの不透明感が増す中、協力に広がりが見えない実態が浮き彫りとなった。

 採用予定がないとした理由(複数回答可)については、42社が「正社員経験などキャリアを重ねた人の中途採用を優先」を挙げ、「その世代の中途採用枠を設けていない」が8社、「既存社員との処遇バランスが難しい」が2社と続いた。

 一方、採用予定があるとした企業は6社にとどまった。理由(複数回答可)について、5社が「人手不足を補うため」と回答。2社が「年齢構成のゆがみを是正」を挙げた。具体的な採用規模や時期を示した企業はなかった。

 自由記述ではこの世代に限った対応はないとした回答が目立ち、ほかに「中途採用は即戦力を重視」(輸送機器)や「年齢でなくスキルや経験、人物像を重視」(金融)などがあった。

 アンケートは4月初旬から実施し、5月上旬にかけて回答を集計。「未定」などとしたのは6社で無回答は9社だった。

 この世代の支援を目的とした中途採用では昨年夏に兵庫県宝塚市の試験に応募者が殺到した。国家公務員も今年中に省庁横断の統一試験が行われる予定だ。

ズーム

 就職氷河期世代 就職難だった1990年代半ばごろから約10年間の「就職氷河期」に大学などを卒業し、現在30代半ばから40代半ばごろの世代とされる。非正規雇用で働かざるを得ない人が続出し、十分な能力を身に付ける機会がなかったため安定した職業に就けていない人や自信を失って引きこもりになった人も多い。政府は昨年12月、総合的な行動計画を取りまとめ、今後3年間で集中的に支援するため計650億円超の予算を確保した。100万人を対象に30万人を正規雇用に転換させる目標を掲げる。