あしぎん総合研究所が25日までに発表した「賃金と雇用に関する動向調査」によると、2019年度にベースアップ(ベア)を実施すると答えた企業は計29・2%と、前年度と比べて3・2ポイント減少した。あしぎん総研の担当者は「中国経済の不振や英国の欧州連合(EU)離脱問題など、世界経済の不透明さから前年度を上回る賃上げには至らなかった」と分析している。

 調査は4月、足利銀行の取引先1690社を対象に実施し、809社(47・9%)が回答した。


 このうち、賃金動向について答えたのは802社だった。「ベア、定昇ともに実施する」と答えた企業は前年度比3・3ポイント減の18・1%。「ベアのみ実施する」は0・1ポイント増の11・1%だった。

 ベアを実施する大企業は29・5%、中小企業は29・1%だった。業種別では製造業が34・8%、非製造業25・0%。

 ベア額を見ると、全体で最も多かったのは「6千円以上」の24・2%だった。次いで「5千円以上6千円未満」20・2%、「2千円以上3千円未満」16・3%と続いた。

 ベアを実施する理由(複数回答)は「社員のモチベーションを上げるため」が81・0%を占めた。「良い人材を確保するため」が55・2%、「ベースアップは毎年実施しているため」が33・6%だった。

 一方、ベアは実施せず「定昇のみ実施する」企業は1・1ポイント増の38・8%だった。「ベア、定昇ともに実施しない」企業は0・7ポイント減の11・6%。ベアを実施しない理由は「賞与など一時金で対応しているため」や「業績が回復していないため」が目立った。

 雇用に関する質問では今春、新卒者を「採用した」企業(44・5%)よりも「採用していない」(55・5%)企業の方が多かった。今後の雇用方針は「優秀な外国人労働者の採用」と答えた企業が11・6%となり、14年度の調査開始以来、初めて1割を超えた。担当者は「人手不足の中、改正入管難民法が施行され、外国人も積極的に雇用したいという企業が増えている」とみている。