鹿沼南高環境緑地科を今春卒業した宇都宮市下砥上町、早乙女(そうとめ)愛海(まなみ)さん(18)は、素材生産業の高原林産企業組合(矢板市長井、白石盛道(しらいしもりみち)代表理事)に就職し、林業の現場で奮闘している。県によると、早乙女さんは県内の林業従事者で最年少とみられ、大部分を男性が占める業界で活躍が期待されている。

 コーン、コーン、コーン−。スギの根元に打ち込んだ強化プラスチック製のくさびをおので数回たたくと、長さ約18メートル、直径約26センチの大木が地響きを上げて倒れた。早乙女さんは「狙った方向に倒れた時が楽しい」と魅力を話す。

 高校2年が転機になった。「消去法で選んだ」林業コースで、機械を扱う楽しさや里山管理の重要性に触れ、就業の意思を固めた。就職活動では「女性は採用しない」と断られたこともあったが、高校の恩師らの熱意が早乙女さんの背中を押し、気持ちが揺らぐことはなかった。

 同組合には、チェーンソーの講習会などに参加するうちに魅力を感じた。「『将来に残す林業をしたい』と、数十年先の環境を考えて取り組む姿勢にひかれた」という。林業関係の企業・団体が参加する合同ガイダンスでは、白石代表理事(56)から「ほかの会社も見るように」とアドバイスされたが、同組合への就職にこだわった。白石代表理事は「女の子で『現場で働きたい』と言い通した気持ちに動かされた」。

 県林業木材産業課の集計では、2015年度末の県内林業就業者は660人で、女性は10人いる。年代別の内訳は20代と30代が各1人、50代2人、60代6人。担当者によると、50代以上は臨時的な労働者などで、実質的な女性就業者は20、30代の2人。普及啓発などで近年は若年の女性が本業に選びつつあるという。

 同組合としても女性の採用は初めて。早乙女さんを含め新卒3人が入職したことで職場の働き方改革も進んだ。業界では日当に加え出来高払いをする職場が多い中、過労に伴う事故防止の観点から週休2日の月給制を導入した。

 白石代表理事は「将来的には結婚や出産後も働けるようにしたい」と話し、森林管理を行う専門資格「認定森林施業プランナー」の取得などを後押ししたい考えだ。

 早乙女さんの今の目標は「何でも仕事ができる」という尊敬する職場の上司に近づくこと。「まだ淡い夢だが、ゆくゆくは(プランナーの資格を)取りたい」とはにかんだ。