「『創造的自己改革』への挑戦」 全国農業協同組合中央会会長 奥野長衛氏

 しもつけ21フォーラム(下野新聞社主催)の6月例会が14日、宇都宮市内で開かれ、全国農業協同組合中央会(JA全中)の奥野長衛(おくのちょうえ)会長が「『創造的自己改革』への挑戦」と題して、講演した。

 10年ぶりの会長選を経て、昨年8月に就任。環太平洋連携協定(TPP)や4月の改正農協法施行など、農業を取り巻く情勢が大きく変わる中で、改めて改革の必要性を訴えた。

 改革の進め方については、地元農協での経験を踏まえ「現場でとことん話し合い、結論を出してもらう。上から目線ではだめ。ボトムアップがいい」と指摘。改革名称に掲げる「創造」には「理想の社会を目指す『想像』の意味もある」と述べた。

 「圧力団体」といった批判的な見方については、米国などを例に、富が一部に集中することで生まれた社会のひずみに触れた上で、「互いに助け合うのが協同組合」と強調。組合の事業の利用拡大で、理解促進を図る考えを示した。

 農業政策を左右する政治家の姿勢にも言及。「オーストラリアなど各国の大臣らに、国民を飢えさせないという強い思いを感じた」とし、「農業は国の『基』。自給能力をいかに保つか、といった強い意志が求められる」と力を込めた。

 奥野氏は三重県伊勢市出身。69歳。JA三重中央会長。