「栃木県の発展に寄与するあたらしいICT(情報通信技術)の世界」 KDDI代表取締役社長 田中孝司氏

 しもつけ21フォーラム(下野新聞社主催)2月例会が10日、宇都宮市内で開かれ、通信大手のKDDI代表取締役社長田中孝司(たなかたかし)氏が「栃木県の発展に寄与するあたらしいICT(情報通信技術)の世界」と題して講演した。

 田中氏は1985年の通信自由化を経た通信産業の変遷を紹介。90年代に存在した120社もの事業者が競争と淘汰(とうた)を繰り返して現在は大手3社にほぼ集約されたとし、激化する競争を「3社で殴り合いをしているような状態」と表現した。

 通信自由化以降、国内の情報通信産業の売り上げ規模は約4倍、名目国内総生産(GDP)は約8%を占めるまでに成長。国内での成長が難しい段階にきているとして「次の方向性は海外と(物や機器をインターネットでつなぐ)IoTだ」と明示した。

 IoTについて「業界ではデバイス、ネットワーク、クラウドの3要因の準備が整いつつある。人工知能が加われば、さまざまなシステムで予測や自律が可能になり、生活や産業に大きな変革がもたらされる」と述べた。

 また同社が展開する事業が県版人口減少対策「とちぎ創生15(いちご)戦略」に掲げられている農業、観光誘客、医療分野の戦略に活用できるとして「栃木県の産業発展に貢献できれば」と話した。

 田中氏は1957年、大阪府生まれ。京大大学院卒。81年に国際電信電話(現KDDI)入社、代表取締役執行役員専務などを経て、2010年12月に社長に就任した。