「嵐の中のエネルギー戦略 持続可能な原子力とは」 国際エネルギー機関(IEA)元事務局長 田中伸男氏

 しもつけ21フォーラム(下野新聞社主催)の12月例会が17日、宇都宮市内で開かれ、国際エネルギー機関(IEA)元事務局長の田中伸男(たなかのぶお)氏が「嵐の中のエネルギー戦略 持続可能な原子力とは」と題し講演した。

 田中氏はIEAが11月に公表した最新の予測資料を基に世界のエネルギー市場の見通しについて解説。「(米国などが採掘に注力する)シェールオイルの台頭、中東各国の原油減産見送りによって現在の原油安が生まれた」と説明した。

 シェールオイルが世界の石油供給の短期的な安定に寄与する、とした。一方、IEAは原油価格が回復する従来の予測に加え、今後も引き続き石油の低価格が続く別のシナリオも公表したとして、実際どちらに推移するかは「神のみぞ知る」と予測困難とした。

 日本のエネルギー政策に関しては「世界市場で各エネルギー源をどう組み合わせるかを考える視点が重要」と指摘。ただ、国内でも再生可能エネルギーに注力することに賛成する一方、エネルギーの安全保障を高めるため「今後も原子力は必要」と主張した。

 田中氏は1950年、神奈川県出身。東京大経済学部などを卒業後、通商産業省(当時)入省。2007年からIEA事務局長を4年間務め、現在は笹川平和財団理事長。