「聖地日光と社参」 東京学芸大教授 大石学氏

 しもつけ21フォーラム(下野新聞社主催)の4月例会が23日、宇都宮市内で開催され、東京学芸大教授の大石学(おおいしまなぶ)氏が「聖地日光と社参」と題して講演した。

 ことしは江戸幕府を開いた徳川家康(とくがわいえやす)の400回忌に当たり、日光東照宮で50年に1度の式年大祭が行われる。

 大石氏は、その家康の歴史的役割に触れて「250年余も平和だった社会は世界でも珍しい。日本型社会のシステムは大体が江戸時代にできあがった。明治に近代化が始まったのではなく、江戸時代の地続きにある」と説明した。

 神となった家康が祀(まつ)られている日光東照宮について、大石氏は「(徳川の)権威を高める『国民統合の装置』の役割を果たした。天海は、家康の神格化の拠点として東照宮と上野寛永寺をつくり、家康は日本の泰平を守る国家神になった」と解説した。

 徳川将軍が、日光東照宮に参詣した「将軍社参」は江戸時代に19回あったとし、「それが国家的イベントとして、権威の伝統化につながった」と述べた。12代将軍家慶の天保の社参は、80万人の動員があったという。

 県内で今秋、開催される東京−日光間の「日光社参ウオーク」について、大石氏は「徳川が目指してきたのは人々の安定と安寧。それを保障してくれる存在として日光東照宮があるとすれば、全国に訴える価値がある」と期待を寄せた。

 大石氏は筑波大大学院博士課程満期退学。時代考証学会の会長で、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」「篤姫」などの時代考証を担当している。