「酪農乳業の課題と今後の展望」 明治社長 川村和夫氏

 しもつけ21フォーラム(下野新聞社主催)の7月例会が9日、宇都宮市内で開かれ、大手食品会社の明治社長川村和夫(かわむらかずお)氏が「酪農乳業の課題と今後の展望」と題して講演した。

 同社は2011年、明治乳業と明治製菓との経営統合により設立された。

 川村氏は、本県の生乳生産量が北海道に次ぐ全国2位である点を踏まえ、酪農と乳業の全国動向を説明した。酪農家数と生乳生産量が減少し、生乳生産基盤の弱体化を懸念する一方、乳業では生クリームやヨーグルト、チーズなどの総需要が増え、6割しか自給できていないと指摘。「酪農と乳業は車の両輪と言われたが、今は一体の産業でないと生き残れない」と述べた。

 また乳製品需要が世界的に拡大すると展望し、今後はチーズや粉ミルクの日本からの輸出が見込まれるなど「酪農、乳業はポテンシャル(潜在的な力)がある」とした。環太平洋連携協定(TPP)に対しても「乳製品の半分はチルド流通が必要なため物理的に輸入が困難。一定の防護壁があるなら国内の乳製品は守れると思う」と述べた。

 本県の酪農については「外圧に屈しない技術力と能力があるが、生産縮小など内部から崩れるのが心配。栃木県の生乳生産は日本の生命線だ」と期待した。

 川村氏は1953年宮城県生まれ。早稲田大卒業後、明治乳業に入社。取締役常務執行役員、明治取締役専務執行役員を経て12年から現職。