「共に築く 消費生活の安全・充実」 消費者庁長官 板東久美子氏

 しもつけ21フォーラム(下野新聞社主催)の6月例会が4日、宇都宮市内で開かれ、消費者庁長官の板東久美子(ばんどうくみこ)氏が「共に築く 消費生活の安全・充実」と題して講演した。

 消費者庁は、各省庁にまたがっていた消費者行政を一元化し、2009年に発足した。その役割について板東氏は「消費者行政のかじ取り役。行政の縦割りや隙間を無くし、最前線である全国の消費生活センターや各省庁とも連携して、豊かな社会の実現を目指す」と語った。

 全国の消費生活センターに寄せられる消費者トラブルの相談件数は、架空請求問題が顕著化した2004年度にピークを迎え、その後に減少。しかし13、14年度は「また増えてきた」といい、要因に高齢化や情報化社会の進展を挙げた。同庁の推計では、消費者被害額は13年に6兆円という。

 相談内容はアダルトサイトへの強制誘導などデジタルコンテンツ関連が特に多く「スマートフォンの普及も後押しした」と説明。近年は健康食品の購入をめぐるトラブルも増え、高齢者の場合、住宅リフォームや特殊詐欺に関する相談も多いほか「ほかの年代より被害額が多く、複数回に及ぶのが特徴」とした。

 レストランのメニュー偽装問題を機に景品表示法を2度改正し、不当表示に対する課徴金制度を導入した経緯も解説。また食品表示には複数の法律が並立して「分かりにくかった」として、表示制度の一元化に取り組んだことも指摘した。

 坂東氏は1977年文部省(当時)入省。次官級の文部科学審議官を経て14年8月から現職。