「国際協力60周年と今後の日本の国際協力」 国際協力機構(JICA)理事長 田中明彦氏

 第137回しもつけ21フォーラム10月例会(下野新聞社主催)が22日、宇都宮市上大曽町のホテル東日本宇都宮で開かれた。国際協力機構(JICA)理事長の田中明彦(たなかあきひこ)氏が「国際協力60周年と今後の日本の国際協力」と題して講演。日本の国際協力の歴史を振り返りつつ、その必要性をあらためて訴えた。

 田中氏は日本の国際協力が第2次世界大戦後、国際社会への復帰を目指し、賠償と一体となって始まったものだったと説明。しかしこれによるダム建設や農地開発が、東南アジアなどの社会・経済の基盤整備のみならず、政府と反対勢力の争いを収める平和構築にも貢献したと振り返った。

 一方、中国を例に国際政治との関係性に言及。「関係が良いときは協力を高く評価してもらえる。良い評価がずっと続けばいいが、国家間の関係はなかなか難しい」と語った。

 今後の協力の在り方については「日本ブランド」に期待感を示した。整理や整頓などを重んじる日本型マネジメントは、途上国の病院でも取り組まれているという。

 また、世界中で常に2千~2500人が活躍しているという青年海外協力隊など、JICAのボランティアの重要性も指摘。「人と人との活動を通じて、日本と国際社会をつないでいきたい」と述べた。

 田中氏は1954年、埼玉県出身。東京大教養学部卒業後、米マサチューセッツ工科大政治学部大学院修了。東京大副学長などを務め2012年4月から現職。