智亜は「天才肌」、「理詰め」の明智
――智亜選手は「天才肌」、明智選手は「理詰め」という感じですか。
明智 そうですね。でも智くんが努力している事は僕がよく知っています。
智亜 最近、頭で考えるように変わったと思います。なかなか勝てない事が続いたんで、明智の言うことばかりでなく、いろんな人のアドバイスも聞くようになりました。自分では強くなっていると感じているのに成績が出せなかった。だから他の人と、「見ている方向性が違うのかな」と思って、人によって視点が違うので、そこはすごい勉強になりました。
―お互いの性格を分析していかがですか。
智亜 明智はツンデレだよね。だいたい一度否定していて、「やっぱり、いいよ。分かった」みたいな感じで、面倒くさいヤツですね。
明智 「何か買ってきて」とか頼まれても「いやだよ、絶対」とか言っておきながら、ちゃんと買って帰るみたいな感じです。
智亜 それに神経質なんです。遠征先の部屋でも「キレイにしておきたい派」だよね。
明智 そう。散らかってるのが嫌なんです。一緒の部屋になっても、だいたい智くんのスペースは散らかっていて、最後に僕が片付けて「これ忘れているよ」みたいな事になります。
――そういう性格が、競技にも影響しますか。
明智 智くんは些細な事を気にしないので、「できなかったらどうしよう」とか深く考えていないです。そういうところも、見習うべきというか、うらやましいですね。

――指の力の鍛錬はどのように積んでいますか。
智亜 走っていると足が強くなるように、登っていれば強くなります。僕はそれに加えて、ボードに薄いホールドを付けて、指をひっかけ足を使わずにぶら下がって強化しています。テレビの「SASUKE」(TBS系のスポーツエンターテインメント番組)に出てくるような課題ですよ。
明智 握り方も重要なんです。一番力が入るホールドの握り方ってあるんですよ。「あのホールドは、親指を外した方がよかったよ」とかね。
智亜 ホールドの形状によって、全然違いますし、その年によって、流行のホールドとか、新タイプのホールドが出るんです。それがW杯でも使われています。過去には新しいホールドに触れられないまま、W杯の連戦がスタートすることもありました。
明瞥 欧州製のホールドが多くて、向こうでは一般のジムにも出回るんですけど、日本にはすぐには入ってこないんです。
智亜 だから若干不利だよね。でも最近大会でお披露目とかになってきていますね。
明智 ホールドを経験しているだけで、意識的にもとても有利になるんで、覚えていくしかないよね。