野球独立リーグ・ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスの今季開幕戦が6月21日、県営球場で行われ、埼玉武蔵ヒートベアーズと対戦した。投手戦となった試合は八回に登板したダニエルがソロホームランを浴び、0-1で競り負けた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本来の開幕予定日だった4月11日から2カ月以上遅れての開幕戦。しかも、感染拡大を防ぐため、無観客試合となった。報道陣や関係者のみの観客席という閑散とした状況の中、栃木GBの選手はどんな思いで試合に臨んだのか。

斎藤泰行・文、写真

球場外にGBファンの姿も

 BCリーグの対外試合は4月3日から5月31日まで禁止されていた。6月1日の解禁後も感染拡大防止のため、すべて無観客試合で練習の見学も中止。監督、選手、コーチによる握手やハイタッチ、サイン、写真撮影といったファンサービスも当然のことながら中止になっている。

 こうした異常事態の中、BCリーグの公式戦は6月20日に開幕することになった。全国的に新型コロナウイルスの新規感染者が減少傾向となる中、本県の新規感染者も6月3日以降、確認されていない(6月23日現在)。政府は19日から都道府県境を越える移動の制限を解禁したこともあり、栃木GBの開幕戦が行われた21日は会場となった県営球場を含む県総合運動公園には休日を楽しむ家族連れやテニスなどを楽しむ人の姿が目立った。球場外には栃木GBのTシャツを着たファンらしき男性の姿もあった。

 一方、この公式戦ではBCリーグが公表した感染拡大防止のガイドラインに従って徹底したコロナ対策が実施された。報道陣や関係者には体温測定や体調チェックシートへの記入が求められた。「関係者以外立ち入り禁止」と張り紙がされた入り口の奥に、報道関係者の受付場所があった。球団職員に社名を告げ、取材を申し込む。体温を測られ、チェックシートに記入後、球場に入った。もちろんマスクも着用した。観客席に行ってみると、選手たちが普段と変わらない様子で試合前の練習をしていた。ベンチの様子を見ると、首脳陣はマスクを着けていた。

 「ソーシャルディスタンス」のためマスクをしてベンチ脇のカメラマン席で戦況を見守る栃木GBの選手たち

 午後1時に試合が始まった。「ソーシャルディスタンス」のため、ベンチには首脳陣と試合に出ている選手だけが座り、控え選手はベンチ横のカメラマン席で戦況を見守った。審判員も「アウト」「ストライク」などの発声は必要最低限の声量で判定した。ベースコーチにもマスクが義務付けられた。マスクを着けていないのはプレーする選手だけ、という状況だった。

マスクをして一塁のコーチャーズボックスに向かう岡田幸文外野守備走塁コーチ

2年目手塚が4回無失点の好投

開幕投手に指名され、4回を無失点に抑えた手塚俊二

 観客がいない、異様な雰囲気の中、打球音や野手のかけ声が球場に響く。栃木GBの開幕投手に選ばれたのは2年目の右腕手塚俊二。福岡県出身の2年目で昨シーズンは7試合出場にとどまっただけに今季にかける思いは強い。6日に行われた埼玉との練習試合でも4回無失点と好投。16日に首脳陣から開幕投手を告げられた。「自分でいいのかな、とも思いましたが気持ちを入れて調整しました」。こう語る手塚は先頭打者にヒットを許すなど計5安打を許したが、最速147km/時のストレートに変化球を織り交ぜ、粘りのピッチングを見せた。「三振をもう少し取りたかったですが、フォアボールがなかったのはでかいですね。それと変化球でカウントを取れたのは収穫です。反省点としてはゲッツーの時のカバーの遅れは練習しないと、と思いました。フィールディングを練習していきたい」と語った。今季の目標は「2桁勝利」と語った。

 この日の栃木GB打線は4人の新戦力をスタメンに起用したが、4安打にとどまった。一昨年の村田修一(現読売ジャイアンツコーチ)、八木健史(現栃木GBコーチ)や、昨年、中軸を担い、リーグ日本一に貢献したものの現段階で契約を更新していない元阪神西岡剛のような強打者が存在しない中で、四番に抜擢されたのは2年目の佐藤翔。しかし、この日はノーヒットに終わった。そうした中、高卒ルーキーながら、2番ライトで先発出場した若松聖覇が初回の初打席でヒットを放つなど存在感を示したものの、得点には結びつかなかった。