「ひっ迫する世界の食糧需給と日本農業の課題」 丸紅経済研究所前代表 柴田明夫氏

第108回しもつけ21フォーラム(下野新聞社主催)が11日、宇都宮市のホテル東日本宇都宮で開かれ、丸紅経済研究所前代表の柴田明夫氏(60)=那須塩原市出身=が「ひっ迫する世界の食糧需給と日本農業の課題」と題して講演した。

柴田氏は日本の農業について「国民の中には楽観的な見方が多い」とした上で「経済大国は同時に『食糧生産大国』だが、日本は(食糧を)輸入しており、実際は不足している」と指摘。中国など新興国の経済成長と人口増を背景に穀物需要が高まり、価格が高騰していることなどを今後の懸念材料に挙げた。

さらに、東日本大震災も日本の食と農業に影響を与えていると指摘。「震災直後、コンビニなどで穀物ベースの食糧が消えた。これをきっかけに、農業生産を転換すべきだ。あらゆる(農業)資源を遊ばせず、フル活用しないといけない」と食料自給率を高めるため、生産力向上の必要性を強調した。

議論が二分されている環太平洋連携協定(TPP)参加問題についても「反対することは、これまで続いている(農業をめぐる)問題の解決にはつながらない。本気で日本の農業のビジョン、海外の食糧事情を考えることが求められている」と持論を展開した。