「阪神・淡路大震災の教訓~創造的復興をどう進めてきたか」 ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長 貝原俊民氏

第99回しもつけ21フォーラム(下野新聞社主催)が2日、宇都宮市の宇都宮東武ホテルグランデで開かれ、ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長で前兵庫県知事の貝原俊民氏(77)が「阪神・淡路大震災の教訓~創造的復興をどう進めてきたか」と題して講演した。

貝原氏は兵庫県知事3期目の1995年、阪神・淡路大震災に遭遇。被災地の復旧、復興を指揮した。

「災害対応の『分権型システム』が初めて試されたが、機能しなかった」

貝原氏は国主導で災害に対処した第2次大戦までの「中央集権型」と比べて、同震災への対応をこう表現。全国的にも優れた防災対策を進めていたにもかかわらず、危機管理体制が不十分だった当時を振り返った。

その後、全国の自治体が分権型システムを強化。「住民に近い市町村があらかじめ対策を作っておくことが必要」と、分権型をさらに進める必要性を強調した。

一方で阪神・淡路大震災では兵庫県が国に提案した「創造的復興策」が受け入れられず、ハード面の「復旧」にとどまったとの認識を披歴。「文化、教育、人材育成などソフト開発によって地域に活気が生まれる」と、復興に必要なソフト面の取り組みを挙げた。

東北の復興に関し「高齢者が社会参加できる新たな仕組み作り」の考えを提案した上で「農、漁業に定年はない。東北人のもの作りの感性を生かし、匠の技を結集していければ、『成熟国型産業モデル』になる」と期待を込めた。