栃木労働局は29日、5月の県内有効求人倍率(季節調整値)が1・03倍となったと発表した。前月を0・02ポイント上回った。2カ月連続の上昇。有効求人数が前月から1・4%増加した一方、有効求職者数が0・6%減少したことが倍率上昇につながった。

 雇用情勢判断は前月までと同様に「新型コロナウイルス感染症の影響を受けて弱い動きが続いており、注意を要する」とした。全国は前月と同じ1・09倍。全国順位は39位と変わらなかった。

 季節調整ベースでの有効求職者数は3万4518人。このうち新規が7・7%減の6393人で、4カ月ぶりに減少したことが有効求職者数減少に影響した。一方、有効求人数は3万5600人となり、新規は1・6%増の1万3440人だった。

 季節的要因を除いた原数値では、雇用の先行指標となる新規求人数は前年同月比16・1%増の1万1505人となり3カ月連続で前年比を上回った。ただ、コロナ禍前の2019年5月からは24・0%減となっており、栃木労働局の藤浪竜哉(ふじなみたつや)局長は「国の緊急事態宣言下にあった昨年からの反動増にすぎず、回復への足取りが確かとは言えない」との見解を示した。

 新規求職者のうち、事業主都合による離職者は前年比32・4%減の592人で、19年5月と同水準となった。藤浪局長は「雇用調整助成金の効果とともに、今後の経済回復を見越して人材を確保したいという事業主の意向があるのではないか」と推測した。