ダニエル、一発食らうもマイナーの風格

 無観客試合が影響しているのかどうかは分からないが、この日の試合は早いテンポで進んだ。BCリーグの運営ガイドラインによると、リーグ戦で延長戦はなし。さらに7回成立後、2時間45分を超えて新しいイニングに入らないことになった。この日の試合時間は2時間22分。昨シーズンの栃木GBの試合では考えにくい短さだ。

2者を連続三振に捕えマイナーの風格を見せたが、3人目の打者からホームランを打たれたダニエル

 結局試合を決めたのは1本のホームランだった。2番手の昨シーズン13勝を挙げた元中日ドラゴンズの若松駿太が2回を無失点と好投。そのあとを受け、8回に3番手で登板したのは2021年のWBCブラジル代表で米大リーグのブルワーズとマイナー契約していた経験があるダニエルだった。マウンドに立ったこの右腕は「変化球も切れて調子が良かった」と試合後に語っている通り、先頭打者を三球三振に打ち取ると、2人目と切れのあるピッチングで三振。さすが元マイナーのオーラを感じさせるものがあった。しかし、3人目の相手3番打者に投げた2球目のチェンジアップが浮いた。捕えられたボールはライトスタンドに運ばれ、試合を決める1打となった。

 「悔しい。1球目がファウルでタイミングがあっているなと思った。それで2球目をはずそうと思ってチェンジアップを投げたら浮いてしまった。BCリーグは思った以上にレベルが高い。気を引き締めてチームのために頑張りたい」。試合後、ダニエルはこう語り再起を誓った。

 「勝てなかったのは悔しい。だが、先発の手塚も5回を投げ切った。守備もチーム練習が足りていない中締まったプレーがあった。こういう試合なら負けても選手にとっていい経験になる。これからも1戦1戦大事に戦っていきたいので、ぜひ応援してほしい」。

 1点差で開幕戦白星を飾れなかったものの、こう語る寺内崇幸監督の表情はどことなく晴れやかだった。「野球ができることで選手の表情にも明るいものが見えた。野球ができることが彼らにとってもいいこと。こういう試合ではなかなか野球の素晴らしさを伝えられないですが、もっと練習していい試合ができるようにしたい」。