「日本政策金融公庫の役割」 日本政策金融公庫代表取締役総裁 田中一穂氏

 会員制組織「しもつけ21フォーラム」5月例会(下野新聞社主催)が16日、宇都宮市内で開かれ、日本政策金融公庫(日本公庫)代表取締役総裁の田中一穂(たなかかずほ)氏(63)が「日本政策金融公庫の役割」と題して講演した。

 国民生活、中小企業、農林水産の3事業で政策金融を担う日本公庫について、田中氏は、長期、固定、低金利で民間金融を補完する役割のあることを解説した。2017年度の事業資金貸し付けは約30万件。民間金融機関との協調融資が18年度、3万件超という。

 中小企業事業で取引歴のある株式上場企業は全上場企業の18・4%、1989(平成元)年以降だと30・6%に上り、「栃木県内の上場企業4社も取引していた」と、企業の成長を支援していることを紹介した。

 中小企業の事業承継に関しては、休廃業・解散企業の50・5%が黒字であるとの調査結果を披露した。「これら黒字の企業をどうやって残すかが最大の課題だが、あまり妙案がない」としながらも、「公庫としては社長へ情報を提供し、相談があった場合にはいろいろな事例を示せるようにしたい」と述べた。その上で「創業(しようとする人)を廃業(する事業者)と結び付けるマッチングを進めたい」との考えを示した。

 田中氏は東大卒。1979年大蔵省(現財務省)入省。2015年事務次官に就き、翌16年退官。17年12月から現職。東京都出身。(伊藤一之(いとうかつゆき))