戦禍の残像 継がれる痛み ⑦消せない過去

占領知らぬ学生に衝撃

 

 戦地での過酷な体験で心を病んだ復員兵、大陸に取り残され祖国に戻れずにいた子ども、いまだ遺骨を抱きしめられない遺族…。

 

 戦火がやみ、終戦を迎えてもなお、戦禍による傷は少なくない人々を苦しめてきた。その痛みは世代を超え、現在もくすぶる。

 

 日本人だけではない。戦時下を生き、同じように傷を負った人がいる。痛みもまた、継がれている。

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 農村指導者育成を目指し、1973年に開校した那須塩原市のアジア学院。さまざまな国の学生が通う。時に、戦時下で日本が侵略した地域の若者を受け入れることもある。