中小、小規模事業者の事業承継を支援する「県事業引継ぎ支援センター」は6月1日、県後継者バンクを創設する。創業を目指す起業家を登録し、後継者を求める企業、個人事業主と結び付ける。2015年度は登録起業家20人、事業引き継ぎ5件の成立を目指す。後継者バンクが整備されるのは全国6件目。

 昨年11月の開設以降、ことし5月末までに同センターに寄せられた県内中小企業、小規模事業者からの相談は82件。このうち25件が事業譲渡に関するもので、「後継者を探してほしい」との要望も多いという。後継者バンクはこうした経営者と、創業意欲のある起業家をマッチングする。

 起業家は県内各商工会議所、商工会、県産業振興センターが実施する創業塾などの受講者に登録を呼び掛ける。同センターが希望者にヒアリングなどを行い、正式登録する。

 譲渡希望の経営者と条件が合えば、登録起業家と引き合わせ、起業家から事業計画書の提出を求めた上で、承継時期や店舗の売買、賃貸などの条件を具体的に話し合う。合意を経て、事業引き継ぎを実現する。

 事業主側は廃業することなく承継できたり、従業員の雇用や取引先を維持できるメリットがあり、起業家側には起業コストを抑えたり、販売先や仕入れ先を引き継ぐことができるなどのメリットがあるという。

 同センターの大森治(おおもりおさむ)統括責任者は「小規模企業や個人事業主はM&A(企業の合併・買収)の対象になりにくく、事業を存続させるには後継者を探しやすくする仕組みが不可欠」としている。