遺構は語る

戦後80年。戦争体験者の多くが鬼籍に入り、戦禍の記憶は薄れつつあるが、人知れず立つ碑やひっそりと残る跡が、あの大戦を後世につないでいる。県内各地の痕跡を随時紹介する。
 
草木が茂る地下工場。耳を澄ますと鳥の鳴き声に混じって、岩山が崩れる音も聞こえた=茂木町茂木、磯真奈美撮影

 

岩山に眠る「国家機密」

政府命令、横浜から疎開

 

 真岡鉄道茂木駅の西側にそびえる岩山(茂木町茂木)。太平洋戦争末期、その麓にある洞窟内に東京芝浦電気(現東芝)の地下工場が整備された。高射砲の砲身を造る施設と伝わる。