八幡山公園に残る旧陸軍の地下司令部跡。本土決戦に備え掘削された=1月31日午後、宇都宮市大曽2丁目

軍人のいた日 宇都宮・14師団 ③戦争

ネオン消え移ろう軍都

 

 ほの暗い横穴に、軍都の面影が残る。

 

 宇都宮市中心部、県庁北側に広がる八幡山公園。その一角にある「旧陸軍地下司令部跡」は、太平洋戦争末期の1945(昭和20)年6月、陸軍が空襲や本土決戦に備え掘削を始めた地下壕(ごう)だ。620人以上が犠牲になった宇都宮大空襲は、その翌月のことだった。

 

旧陸軍地下司令部跡の入り口。現在は立ち入り禁止になっている=1月31日午後、宇都宮市大曽2丁目
旧陸軍地下司令部跡の入り口。現在は立ち入り禁止になっている=1月31日午後、宇都宮市大曽2丁目

 

 穴の総延長は721メートルに及ぶが、完成前に終戦を迎えた。現在、入り口は封鎖されている。