宇都宮中央高に残る歩兵第66連隊の「赤レンガ倉庫」=1月28日午後、宇都宮市若草2丁目、ドローンから

軍人のいた日 宇都宮・14師団 ①歓迎

念願、全県挙げて誘致

 

 その日の宇都宮は、まるで祭りのような熱気に包まれていた。1908(明治41)年3月30日。日露戦争の終結から2年半がたっていた。

 

 午後2時半過ぎ、臨時列車が宇都宮駅に到着すると、21発の花火が市中にとどろいた。その中心にいたのは、426人の若き軍人たちだった。銃を担ぎ、駅前通りを行進する。沿道には無数の「日の丸」。市民らが連なり、万歳を叫んだ。

 

 「陸軍第14師団」。県都に置かれる軍隊を、大勢が歓迎した。最初に入営したのがこの時の歩兵第66連隊。下野新聞も当日の様子を写真と共に伝えている。師団誘致は全県の念願だった。

 

歩兵第66連隊の行進の様子を伝える下野新聞(1908年3月31日付)
歩兵第66連隊の行進の様子を伝える下野新聞(1908年3月31日付)