FIA―F4選手権 「刺激し合えるコンビの快走に期待」

 

 昨季、全戦入賞の活躍を見せ、シリーズポイントランキング4位を獲得した4年目の川合孝汰と、昨季のスーパーFJもてぎ選手権でチャンピオンとなった18歳の神晴也の2人体制で臨む。神は2017年シーズンに別のチームでFIA―F4選手権を戦っており、2年ぶりの参戦となる。

 川合は参戦1年目の16年シーズン、地元のツインリンクもてぎ開催の最終大会で初勝利を挙げ、シリーズポイントランキングは11位。翌17年は表彰台を果たせなかったものの、全14戦中11戦で入賞となる10以内に食い込む粘り強さを発揮し、シリーズポイントランキングはチーム最高の8位に。そして昨季はシリーズ全戦入賞を達成するとともに、ホンダ、トヨタのメーカー系ドライバーの一角を崩すランキング4位と、この3年間で着実に順位を上げている。坪松監督は「川合は気持ちの波の大きさが課題でしたが、昨季は精神的にかなり安定していました。その反面、とんがった走りがなくなってきているので、今季はもっと欲を持つようにねじを巻かなければ」と、さらなる成長に期待する。

 

 一方、神は昨季のスーパーFJもてぎ選手権で4戦連続ポールトゥウインと圧倒的な強さを発揮し、最終戦を待たずしてシリーズチャンピオンを獲得。17年のFIA―F4選手権ではなかなか結果を出せなかった苦い経験があるだけに、今季をリベンジの好機と捉える。「覚悟を持って下のクラスのスーパーFJに来た神は、この1年間で自信を付け、レースの組み立ても本当にうまくなった。今度も覚悟を持ってFIA―F4選手権に戻るので、チームでしっかりと支えたい」と坪松監督。「川合も年齢の離れた神には負けられないと思って頑張ると思います。2人がシーズンを通して刺激し合っていくことでチームとしての強さをメーカー系のドライバーに見せつけたいですね」と力を込める。

 

スーパーFJもてぎ選手権 「競い合いで熱いドライバー育成したい」

 

 「有望な若手ドライバーの育成」を大きな柱に掲げるル・ボーセMSにとって、フォーミュラの入門レースであるスーパーFJは極めて重要なカテゴリーだ。実際、チームとして2年ぶりに参戦した2017年のもてぎ選手権は小倉祥太、昨季は神晴也と2年連続でチャンピオンに輝き、その育成システムのレベルの高さを証明してみせた。過去2年間はドライバー2人の体制で臨んできたが、今季は17歳から19歳のジュニアドライバー3人体制で3年連続のシリーズチャンピオンを目指す。

 ドライバーの岸本尚将と伊東黎明は、ともにレーシングカートからのステップアップ組で、ル・ボーセが昨年夏に開催したフォーミュラアカデミーに参加したことが参戦のきっかけとなった。一方、岩澤優吾は他チームから移籍したドライバーで、昨季のスーパーFJもてぎ選手権はシリーズランキング3位だった。

 

 坪松監督は「2人より3人の方が競い合いが激しくなりレベルアップが期待できるのと、うまくはまれば表彰台を独占できますから」と説明。「まだできあがっておらず、結果も出ていない彼らを、『レースに人生を懸けてやる』という熱いドライバーに育成していきたいですね」と意欲を示す。

渡辺直明・文 / 写真提供:ル・ボーセMS

<<
2件
>>
最終ページ