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更けゆく打席、右打ち極め バッティングセンターに通う76歳男性と親子 一緒に過ごせる幸せな時間

夜に見つめる 第3部「交差」⑤

11:30

 4月中旬、午後9時。宇都宮市の「ミヤバッティングスタジアム若松原店」2番ケージの右打席に同市、会社経営上澤敏雄(うえさわとしお)さん(76)が立った。ピンと伸びた背筋、腰。ポロシャツ姿で打席に立つ姿は年齢を感じさせない。「見られると緊張しちゃうなあ」と笑い、鋭い眼光をマシンに向けた。

 持参したソフトボール用のバットで100キロの直球をはじき返す。打球は一、二塁間、ライト前、右中間方向に飛ぶ。多いときで週3、4回。必ず2ゲーム50球。20年間。全球右打ち。

 本塁打を狙う欲はない。13歳で野球と出会い、40歳でソフトボールを始めた。内野手としてスーパーシニア(70歳以上)の区分でプレーする。「変化球を捉えるにはこの打ち方だと思った」。チームの主力であり続けるため、フルスイングは捨てた。

鋭い当たりを放つ上澤さん。チームで活躍し続けるため右打ちを極める=4月30日午後10時10分、宇都宮市北若松原1丁目、森田大地撮影
鋭い当たりを放つ上澤さん。チームで活躍し続けるため右打ちを極める=4月30日午後10時10分、宇都宮市北若松原1丁目、森田大地撮影

 右打ちは調子のバロメーターだ。イメージは「二塁手の頭上をライナーで」。右中間に飛ぶと良い感覚で打てていることを実感できる。徹底したスタイルを貫くうちに